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2013年7月 1日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(7月1-7日)

先週の中韓首脳会談後、これは「日本外し」ではないかと何度も質問を受けた。筆者の答は「否」、それを言うなら、むしろ「北朝鮮外し」だろう。今回は数少ない共通の戦略的懸念である「北朝鮮の核」について中韓双方が意見調整を望んだ結果だと思う。

案の定、北朝鮮は「許し難い重大挑発」だと強く反発した。韓国大統領を呼び捨てにしたぐらいだから、中国側の態度にショックを受けたのか。今後中国の対北朝鮮政策に戦略的変化があるか否かに注目したい。(今のところ、その兆候はないが・・・)

1日にブルネイでようやく日韓外相会談が開かれた。韓国側の「バランス」外交のメカニズムは意外に分かりやすい。まずオバマとの意見交換、日本との首脳レベルの接触は内政上「不適切」だから、次に中国との意見交換を優先せざるを得ない。

だが、そうは言っても、北朝鮮問題以外に中韓の戦略的共通利益は少ない。実際、韓国が中国から取れるものは限られている。しかも、最近のウォン安や韓国経済の先行きを考えれば、日本との関係をこのまま放置する訳にもいかないだろう。

以上を考えれば、ブルネイでの日本との外相レベルの短時間会談なら、韓国内でもそれほど批判は浴びないだろう。恐らく現在の韓国側の「バランス感覚」はこのようなイメージだと思う。このまま、日韓関係が順調に改善していくことを望みたい。

最近はアジアばかりが注目されるが、筆者の最大の懸念はエジプトだ。一年前にモルスィ大統領に対するこれだけ大規模な「退陣要求デモ」が起こることを一体誰が予想しただろうか。中東専門家の予想がまた外れていく。

エジプトの統治機構が壊れ始めたのか、それとも、元々統治機構など存在しないのか、いや、そもそもエジプト人に統治能力などがないのか。様々な疑問が湧いてくるが、これらの問いに対する筆者の答はいずれも「否」である。

現在エジプトに存在する統治機構は軍だけであり、軍部と軍人だけがこの国で統治経験を持っている。ムバーラクを退陣させたのと同じ「負のエネルギー」が今やモルスィに向かっているが、その直撃を巧妙に回避しているのも軍だけだろう。

この国の民衆が統治能力の何たるかを知るのは当分先の話かもしれない。このままでは軍が統治機構として戻ってきてしまうだろう。広場で騒いでいる付和雷同の民衆たちがエジプトを変えられないのだとしたら、一体誰がエジプトを変えるのか?

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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