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2013年5月の4件の記事

2013年5月27日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(5月27日-6月2日)

小さなニュースだが、今週29日から南太平洋のキリバス共和国大統領が台湾(キリバスにとっては中華民国)を訪問し、31日には台北にキリバス大使館を開設する。外務省によれば、現在台湾と外交関係を結んでいる国家は23カ国あるそうな。

たった23カ国と見るか、23カ国もあると見るかは判断の分かれるところだろう。1972年の日中国交正常化から41年経ち、日本で「台湾との政治関係」はタブーとなっているだけに、今時台北に「大使館」がオープンすることは新鮮な驚きですらある。

ちなみに、キリバスの独立は1979年。2003年に台湾と外交関係を樹立した際、何とキリバスは中台「二重承認」を希望したそうだ。勿論、中国はそれに反発、キリバスと国交断絶に至る。それでも台湾との関係を続ける小さな島国もあるということか。

今年もシンガポールのアジア安保会議(いわゆるシャングリラ・ダイアログ)が始まる。最近の傾向から見て、中国と韓国がまた大々的に反日的キャンペーンを打ち上げるだろう。現時点では61日に日米韓の防衛閣僚会議が予定されている。

この三極防衛相会合の開催は3年ぶりでとても意義深いと思われるが、まさか韓国は「これもドタキャン」ということはないでしょうね。万一、そんな事態にでもなれば、笑うのは北朝鮮と中国だけ。内政と外交は切り離し、冷静に対処して欲しいものだ。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年5月20日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(5月20-26日)

先週の飯島内閣官房参与による「極秘訪朝」には正直驚かされたが、最も驚いたのは日本メディアの報道振りだった。政治任用職たる総理補佐官や内閣参与が政治指導者の意を体し水面下で行動するのは当たり前の話、決して驚くにはあたらない。

米韓が不快感を表明したというが、不快感を隠さないのは日本の一部マスコミ人ではないのか。冗談じゃない、「極秘接触」なら韓国や米国だってやっている。そんな重要な話を米韓がわざわざ外国に事前通報した例など聞いたことがない。

日米韓連携には常に微妙な温度差がある。一昔前の韓国の太陽政策やブッシュ政権時代の対北朝鮮宥和外交などは三国連携を乱す典型例だったが、当時ですら三国は相互批判を控えていた。その意味でも、最近の韓国外交はちょっと異常だ。

結果的に、北朝鮮側リークで飯島参与の「極秘訪朝」はなくなったが、この種の情報はいずれ公表されること。むしろ、今後の関心は、日本側がいつ、どのようなタイミングで動き始め、いかなるメッセージを北朝鮮側に送るかではないか。

今回は北朝鮮側からのアプローチだったとしても、先方が拉致問題で素直に日本の要求を全て呑むとは思えない。仮に北朝鮮から何らかのシグナルがあったとしても、それは北朝鮮一流の「癖球」である可能性が高い。要注意である。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年5月13日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(5月13-19日)

今週は欧州方面が忙しい。14日にはスコットランド議会が「独立に関する住民投票」につき審議を行う。「まさか」と思う人も多いだろうが、スコットランド人は本気だ。既に英国政府とスコットランド行政府は2014年の住民投票実施で合意している。

知る人ぞ知るだが、スコットランドは18世紀初めまで独立王国だった。そのスコットランドがイングランドと連合してUnited Kingdomとなったのは1707年。民族自決主義の尊重か、欧州衰退の象徴か。独立すれば大英帝国は名実ともに消滅する。

同じく14日にベトナムの首相が訪露する。ベトナムも日本と同じように、非中国外交を進めているということか。しかし、ロシアはベトナムが思うほど頼りになるとは思えないが・・・。

15日にはスウェーデンで北極評議会(Arctic Council)の会合が開かれ、日本に加え、中韓印EUなどの常駐オブザーバー資格が議論される。同評議会はこれまであまり注目されてこなかったが、日本は既に2009年から同資格を申請中だ。

同じく15日にはEUのアシュトンがP5+1を代表してイランと核協議を行う。また、同日からはギリシャの首相が訪中し、中国の対ギリシャ投資拡大の可能性について話し合うという。目立たないが、中国外交は結構頑張っている。

中国といえば、先週8日付の人民日報が「琉球問題」は「歴史的に未解決」とする論文を掲載した。今時、人民日報を読む中国人が何人いるか知らないが、同紙は腐っても共産党機関紙であり、ここに掲載される政治的意味は決して小さくない。

それにしても、中国は間違った方向に進みつつあるのではないか。日米を牽制したつもりなのかもしれないが、琉球が中国の「属国」だったなど言い始めれば、韓国、ベトナムなど周辺国にも同様の議論が波及しかねず、対中警戒心は逆に高まるだろう。

今回の人民日報論文は直接琉球(沖縄)に対する中国の主権を主張している訳ではなく、極めて慎重な書きぶりが目立つ。一方、この種の議論は新たな蜂の巣をつつきかねない「諸刃の剣」だ。少なくとも、今回はよく練られた戦術とは思えない。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年5月 6日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(5月6-12日)

今週は連休明けの東京が再起動する。先週筆者は韓国のソウルで有力シンクタンクの年次総会に参加していたが、今週はその韓国の朴大統領が初めて訪米する。個人的には、米韓首脳会談でアジア情勢がどう語られるかに関心がある。

ちなみに、韓国大統領の米議会における演説はほぼ恒例になっているようだが、日本に米議会で演説をした首相はいない。米側関係者は誰もこの理由を公言しないが、知る人は知っているはず。いつになったら日本首相の演説が実現するのだろう。

ところで、中東シリアでは新たな動きが顕在化しつつある。イスラエルが5月2日あたりから再びシリアに対する直接攻撃に踏み切った。これまではシリアとイスラエルの間に平和条約なき暗黙の不可侵合意があったのだから、これは穏やかではない。

例外は2007年だったか、イスラエルがシリアの原子炉を爆撃破壊したことぐらい。しかし、最近はヒズボッラ・イランのシリア内戦介入やシリア政府によるサリンガス使用疑惑などもあり、両国間の暗黙の了解が瓦解しつつあるということなのか。

イスラエル政府関係者も、「シリアからテロ組織への武器の輸送を阻止するため必要なあらゆる手段を講じる。これまでそうしてきたし、今後も必要なら行う」と表明。こうした単発的戦闘が「イスラエル・シリア戦争」に発展する可能性も懸念される。

シリアの内戦が続く中、欧米諸国は今も軍事介入を躊躇しており、情勢は悪化の一途。イスラエルが賭けに出たことは間違いないが、欧米諸国も表立って歓迎せずとも、内心では「仕方がないかな」と諦めているかもしれない。これからが要注意である。

日本は月曜日が連休最終日、今週もこのくらいにしておこう。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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