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2013年3月の4件の記事

2013年3月25日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(3月25-31日)

今週は東京で開かれる予定の日本・EU首脳会談でEPA交渉開始が合意されるはずだった。ところが、直前にキプロスの財政危機が表面化したため、EU首脳の訪日が見送られ、急遽電話首脳会談で交渉入りに正式合意したようだ。

EUとのEPAといえば、一昔前はEU側が強く難色を示していた懸案中の懸案だった。日本では大震災、EUではユーロ危機が発生したこともあり、状況が変化したということか。そう簡単に妥結するとは思わないが、大きな前進である。

先週の中露首脳会談にあまりサプライズはなかったようだ。個人的には、中国人交換留学生の元米陸軍将校に対する「ハニートラップ」事件がハワイで立件されたことの方が大きなニュースだった。

米国の核兵器配備場所など極秘情報が漏洩した可能性があるということで、ちょっとした大騒ぎになっている。関係者の間では、ハワイのあの「組織」の、あの「プログラム」にいた、あの「中国人女性」が怪しい、などといった噂が乱れ飛んでいるらしい。

現時点でその女性が誰かは発表されていないので、これ以上詮索すべきではないが、やはり中国は全く変わっていないようだ。その中国の習近平は26日から南アフリカでBRICS首脳会議に参加する。そのBRICSも以前のような輝きはない。

同時期にソウルでは日中韓三国のFTA交渉が始まる。30-31日には安倍首相がモンゴルを訪問し、EPA交渉の加速化やレアアースについて話し合う。このところ、日本外交が活発に動いていることは大変結構なことだ。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年3月18日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(3月18-24日)

 今週の外交・安保カレンダーはロシアのモスクワで書いている。毎年開かれている日露専門家会議に末席で参加するという得難い機会を得たからだ。但し、この会議には一定のルールがあり、議論内容の詳細を語ることは許されていない。

 それでも一言だけ述べるとすれば、ロシアの外交・安保専門家の対中観がとても興味深かった。筆者の予想以上に、彼らは「中国からの挑戦」の将来について懸念を抱いているようだ。それでもロシアの対中観は最大でも「アンビバレント」なのだと思う。  

 その中国の習近平・新国家主席が就任後初の外遊先として今週モスクワを訪問する。一方、安倍首相は3月末にモンゴルに行くそうだが、訪中日程は現在も白紙のままだ。どちらも譲歩を言い出せない日中間の「意地の張り合い」はまだまだ続きそうだ。  

 中国といえば、先週末、たった12日間の全人代がようやく終わった。中国の閣僚人事にもあまり驚きはない。新外交部長は元駐日大使。聡明で日本語も堪能だが、だからといって日本に配慮したとか、有利になったなどと思わない方が良いだろう。  

 蛇足だが、筆者と彼は同い年、同じ月に生まれ、誕生日も数日しか違わない。1966年に文革が始まった時、我々は同じ13歳の中学生だった。しかし、北京で生まれた彼のその後の人生には想像を絶する苦労があったはずだ。  

 ある意味では、チャイニーズ・ドリームの成就だ。長い間下放され、苦学してようやく入った大学では年下の同級生に囲まれていたと聞く。余計なお世話かもしれないが、彼の外交部長就任のニュースは個人的にとても嬉しく思っている。  

 欧米での今週のハイライトはオバマ大統領のイスラエル訪問だ。イスラエルでは先週ようやく新内閣が立ち上がったが、オバマを迎える雰囲気はクール。少なくとも熱気が溢れるようなものではなさそうだ。  

 オバマはイスラエルの入植地について何を語るのか。中東和平プロセスを動かすつもりはあるのか。イランの核開発疑惑についてイスラエルに何を語るのか、または、語らないのか。オバマとネタニヤフの冷えた関係はどうなるのか。興味は尽きない。  

 いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年3月11日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(3月11-17日)

また311日がやってきた。2年前の今日、筆者は学士会館で講演中だった。最後の質疑応答の最中に建物全体が揺れた。関係者全員がテーブルの下に「避難」した。あの時のことは一生忘れない。改めて尊い犠牲に心から哀悼の意を表する。

今週末に第12期全人代が閉幕する。中国政府の人事にサプライズはなく、まあこんなもんだろうな、などと思う。個人的にはこれまで「海監」、「漁政」などバラバラだったいわゆる「five dragons」が「中国海警局」として一本化されたことに注目している。

中国の「第二海軍」とか、海上警察能力「強化」などといった懸念もあるが、メリットがない訳ではない。少なくともこれからは日本の海保のように指揮権が統一される。「five dragons」間のライバル意識丸出しの「不規則行動」が減るのなら歓迎だ。

こうした動きが日中や米中公船同士の誤算に基づく不必要な衝突の回避に繋がることを期待しよう。なお、中国政府の機構改革という点では「鉄道部」が解体され、多くが交通運輸部に吸収される。尤も、この程度で中国の腐敗がなくなるとは思えないが・・・。

今週最も驚いたのは北朝鮮が朝鮮戦争の休戦協定を白紙化すると宣言したことだ。「白紙化」自体にはあまり驚かないが、むしろ「白紙化」されて日米韓関係者が何も言わないことに内心驚いている。なぜかって?当然だろう。

休戦協定が「白紙化」されれば、休戦が破れる、すなわち、「戦争状態に戻る」ということを意味するのではないのか。朝鮮戦争を戦ったのは韓国と北朝鮮だけでなく、中国(の義勇兵という名の人民解放軍)と米国(を中心とする朝鮮国連軍)だ。

朝鮮戦争が長い間の「休戦期間」を経て、再び戦争状態になればどうなるのか。誰も考えないのだろうか。考えたくもないのか、考える必要がないのか、考えもしないのか。国連はなぜ何も反応しないのか。このことの方が筆者には驚きである。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

2013年3月 4日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(3月4-10日)

今週のハイライトは5日から始まる第12期全国人民代表大会(全人代)だ。17日に閉幕するというからたった12日間。最低でも150日間、延長されれば半年以上も続く日本の通常国会とは大違い。個人的には日本の国会が12日間で終われば「天国」だとすら思う。

全人代の報道官は何故か女性の外務次官。女性は良いが、全国の人民の代表のスポークスパーソンが何故外務次官なのか。全人代は「日本の衆議院に相当する」などという説明が如何に的外れかよく分かるだろう。

過去数年間恒例になりつつあった国防予算の総額の事前公表を何故か今年は行わないという。この調子では、「習近平体制になったら少し中国は変わるのではないか」といった淡い期待すらも裏切られそうだ。

当面の関心は中国側から対日関係改善のサインが出るか否かだろうが、今のところその兆候はない。そりゃそうだろう。レーダーの対日「ロックオン」あり、対米「サイバー攻撃」ありで、それどころではないはずだ。

中国側の態度はこのまま固まってしまうのだろうか。習近平にせよ、李克強にせよ、カリスマのないサラリーマン指導者ばかりだから、大胆な方針転換はあまり期待できない。日中関係の「正常化」までにはかなりの時間がかかる可能性が出てきた。

中国といえば、ロイターが凄いサイトを作った。Connected Chinaと題されたこのデータベースは公開情報に基づく中国要人の人脈と派閥が非常に詳しく書き込まれている。唯一の欠点は英語表記であり、漢字がないので使いにくいことだ。一見の価値はあるので是非見て欲しい。http://connectedchina.reuters.com/ 

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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