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2012年11月19日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(11月19日-25日)

1979年エジプトでアラビア語を学び始めてから30余年、常に不思議に思ってきたことが再び起きた。ガザのハマスがイスラエルにロケットを打ち始めて6日目。欧米メディアのトップニュースはパレスチナ問題だが、日本では何故か小さな記事になる。

しかも、内容は陳腐。「イスラエルの空爆、子供も犠牲 誤爆の可能性も」これも大事だろうが、より重要な点が報じられていない。それは新大統領就任後エジプトがシナイ半島・ガザ間の国境規制を緩和し、今大量の武器がガザに流入していることだ。

欧米の政府は先に手を出したハマスの挑発を非難しつつ、イスラエルの自衛を支持している。当然だろう。問題の本質はエジプト、特にムスリム同胞団による政策の変更だからだ。実際に、同胞団内部でも現在この問題について意見が割れている。

日本マスコミの関心はやはりプノンペンで開かれる恒例の東アジア・サミットだろう。再選を果たしたオバマ大統領は18日のタイ訪問を皮切りに、19日の米大統領として初のミャンマー訪問に続いて、20日から首脳会議に参加するという。

一方、党大会を終えた温家宝「レームダック」総理もこれに対抗するかのようにカンボジアとタイを訪問する。日本マスコミの関心は日中韓FTAの交渉開始宣言、首脳会議での尖閣議論の可能性に集まっているが、この米中の外交合戦も見逃せない。

ミャンマーが脱中国を狙っていることは既知であり、オバマ大統領が行くことは今や不思議ではない。筆者がより関心を持つのは、同大統領のタイとカンボジア訪問だ。今は中国に近いカンボジアだが、米国は同国にも脱中国を働きかけているはずだ。

そういえば日本も本年3月、中国に近いラオスの首相を公式招待し、同様の働きかけを行っている。地味な首脳会談だから話題にはならなかった(実際に官邸HPの関連ページのツイート数は今もゼロだ)が、こうした努力の積み重ねは極めて重要だ。

中国との尖閣問題は単なる日中二国間問題ではない。今や米軍が「A2/AD」と呼ぶ中国の「接近阻止・領域拒否」は、南シナ海だけでなく、尖閣のある東シナ海でも具体的運用が始まったと見るべきである。

そうであれば、尖閣問題は「二国間問題」ではなく、「地域問題」の一部になったということ。この点を見誤ると尖閣問題に進展は期待できない。1217日以降発足する日本の新政権に頑張ってもらうしかない。

いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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