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2012年7月 2日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(7月2-8日)

 先週6月29日、米国政府は日本政府に対し海兵隊の垂直離着陸輸送機(MV22)の配備計画を正式に通告した。MV22については日本の一部に強い批判があり、岩国基地への搬入と試験飛行、普天間飛行場への配備に暗雲が垂れ込めている。
 今週はこの問題について、可能な限り公平に、論点を整理してみたい。
 MV22配備に賛成の人も反対の人も、また良く分からない人も、以下についてちょっと考えてみてほしい。但し、これは日米安保条約・地位協定の運用に多少なりとも関わった筆者の備忘録、敢えて結論は出さない。あくまで論点の整理である。
● 在日米軍はMV22を普天間に配備する日米安保条約上の権利がある
● 条約上MV22の配備は事前協議の対象とならない
● 日本政府や国内の地元自治体にMV22配備を「拒否」する権利はない
● MV22の普天間配備計画は昔から知られており、突然の配備ではない
● 他方、新型兵器に対する不安、政府の対応に対する地元の不満は理解できる
● 更に言えば、事故を心配する気持ちは日本人も米軍人も同じだ
● 本当に構造上の危険があれば、米軍人を守るため運用は直ちに中止される
● 海兵隊用MV22も空軍用CV22も現在毎日世界中で運用されている
● 民生用航空機、船舶、自動車ですら「安全」に「確信」を持つことなどできない
● MV22の事故率は他の同種または異種の航空機に比べむしろ低いらしい
● 詳細な報告書作成には最低数ヶ月かかり、通常は作成前に運用を再開する
● 如何なる事故においても「完璧」な事故調査報告など存在しない
● 「地元説得の自信のない」人に地元を説得することなど出来ない
 最近の日本国内の議論は「対米配慮」や「安全懸念」ばかり。筆者が最も気になるのは、「日本と極東の平和と安全のためにMV22が本当に必要か否か」という視点が抜け落ちてはいませんか、ということだ。
「不要」であれば米側に計画自体を再考させるべきだろう。もし「必要」となれば、現在の議論は一体何なのか。少なくとも日本の安全保障問題ではない。むしろ、中央と地方政府の関係が流動化しつつある結果と考えるべきなのかもしれない。
 8日にはアフガニスタン復興国際会議が東京で開かれる。久しぶりに日本がイニシャティブを発揮するチャンスだ。いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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