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2012年5月28日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(5月28日-6月3日)

 今週は29日にエジプト大統領選挙結果の公式発表がある。既にムスリム同胞団直系候補とムバーラク政権時代の元首相による決選投票となる公算が高いと報じられている。この結果を正確に予想できた人は意外に少なかったのではないか。
 いつも思うことだが、この種の予測で最も戒めるべきは、無意識な「wishful thinking(希望的観測)」だ。先進国メディアは何となく、自由で民主的な選挙によって中道穏健派が多数票を獲得するだろうと勝手に思い込んでいたのかもしれない。
 それにしても、アッラーの神は実に厳しい試練をエジプト人に課したものだ。同胞団と元首相、一方はイスラム教原則を尊び、もう一方は社会の安全・安定を重視する。こうしてエジプト内政の両極化が進めば、更なる混乱の発生も十分あり得るだろう。
 これまでも何度か言ってきたことだが、常に注目すべきは、今回エジプト軍部がどの程度まで既得権維持に成功するか、逆に言えば、ムスリム同胞団が従来の軍部との「共存政策」を転換し、どこまで政治的実権に挑戦する気があるのか、ということ。
 正確な情報が足りないので、これ以上は書けない。唯一言えることは、今のイラクを見るまでもなく、自由で民主的選挙を行ったからといって、結果が自由で民主的な政治システム確立に繋がる保証など全くない、という厳粛な事実である。
 ところで前評判の高かったバグダッドでのイラン核問題協議はうまく行かなかったらしい。ここでもメディアは漠然とした「希望的観測」が盛んに報じたが、実際の交渉では「制裁解除」をめぐる彼我の意見の隔たりは予想以上に大きかった、はずである。
 中東以外では、中国国内、特にチベットが気になる。先週はチベット、ウイグルに関する中国側の過剰反応ともいえる厳しい対日批判が目を引いた。最近のチベットでの僧侶焼身自殺事件などを聞くと、現場の状況は予想以上に悪いのかもしれない。
 いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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