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2012年4月 9日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(4月9-15日)

 今週は何と言っても、北朝鮮の「人工衛星打ち上げ」がハイライトだ。12-13日ごろには「ミサイル」が発射されるだろう。それにしても、私のような者にまでメディアの取材が来るのは一体何故だろう。逆に私は朝鮮問題の専門家でないので、状況を以下の通りシンプルに考えることも許されるだろうと思っている。
 北朝鮮は「生き残り」のために核兵器開発を開始した。このロジックは基本的にイランと同じだ。中国は「朝鮮民主主義人民共和国」を維持しつつ、経済的に朝鮮半島の「北側」を自国経済圏に取り込む形での、中長期的な「現状維持」を画策している。
 経済的に成功した日本と韓国には「失うもの」が多すぎる。どちらも朝鮮半島の現状を変えるような戦争は望んでいない。日韓の協力を得られない米国もその点では同様だろう。残念ながら、この点は1994年以来基本的に変わっていないのだ。
 北朝鮮はこの「誰も戦争したくない」状況を最大限利用し、過去20年近く、戦術的利益の最大化に成功してきた。金正恩の時代もこうした北朝鮮の外交戦略の基本は変わりそうにない。要するに、北朝鮮は日米韓の足元を見ているということだ。
 そうであれば、日米韓にとって具体的な対抗措置は限られている。特に、日本一国で取れる更なる経済制裁には限界がある。安全保障面では、ミサイル防衛など自衛隊の対応準備を急ぐ等の防衛的対応が主になるだろう。
 一方、外交面では、実際に発射された後の日米韓の更なる連携強化、特に国連安保理での非難・制裁決議採択の可能性などにつき、既にかなり突っ込んだ水面下の意見交換が進んでいるはずだ。
 焦点は中国の動きだが、中国が現時点で北朝鮮に本気で圧力を掛けるとは思えない。更なる国連決議採択は容易ではなく、仮に採択されても北朝鮮にとっては「想定内」だろう。近く核実験が行なわれようし、六者協議も当面開催されない、はずだ。
 いずれにせよ、この種の北朝鮮の動きは従来ほぼパターン化しているもの。金正恩の下でも同じパターンが繰り返される可能性が高くなったということだ。逆に言えば、日本も下手に動揺せず、冷静な対応が必要ということに尽きるだろう。
 4月10日はシリアが国内の停戦を約束した期限であり、国連のアナン・シリア問題特使が精力的に動いている。それにしても、バシャールにはガッカリした。彼ならシリアを救うことが出来るのではと、淡い期待を持ったのはやはり間違いだったのか。
 いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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