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2012年3月 5日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(3月5日-11日)

 今週の焦点は何といっても3月6日のスーパーテューズデーでロムニーが混戦から抜け出るか否かだろう。3日のワシントン州では勝利したが、6日に予備選が行われる州は東部、南部、中西部など様々であり、ロムニーの圧勝は期待できない。
 順当に行けば全体としてはロムニーが辛勝するだろうとは思うが、問題はその後だ。これまでも「党が割れたら負け」と言い続けてきたのだが、「党の分裂」とは必ずしも「予備選挙で圧倒的勝者がいない」ことを意味するわけではない。
 2008年の民主党予備選ではクリントンとオバマが接戦になったが、党自体は割れなかった。クリントンがオバマに協力したからである。逆に、1976年の共和党の場合は同様のケースでレーガンがフォードに協力しなかった。これが党の分裂だ。
 今の共和党が危機的状況にあると考える最大の理由は、サントラムにせよ、ギングリッチにせよ、予備選の敗者がロムニーに協力するようには思えないことなのだ。このまま党大会に流れ込みロムニー降ろしでも始まれば、今年の共和党は終わりだろう。
 もう一つ、日本ではあまり大きく報じられていないが、欧米で大きく報じられているニュースはイスラエル首相の訪米だ。但し、イスラエルと米国が対立しているような報道に惑わされてはいけない。
 この段階での米イスラエル両国首脳の動きは政治的パーフォーマンスだ。両国の本音は可能な限りイランに圧力を掛け政策変更させたい、ということ。イスラエルの世論調査によれば、イスラエルで単独対イラン攻撃を支持する声は19%しかない。
 オバマ大統領はAIPACの年次総会で演説を行ったが、関連報道の見出しは「米、イスラエルに武力行使の選択肢を確認」、「オバマ、イランの核武装阻止を宣言」、「オバマ、外交的解決のための時間はまだある」などと大きく割れている。
 見出しが割れるということは、オバマの演説内容が適切であるということだ。ここでオバマが一方的発言を行えば、逆にイランに対する抑止力は消失する。今はイランに対し米国とイスラエルが何をするか分からないという印象を与えることが最も重要なのだ。
 今週は欧州財政危機についても一言。例えば、5日にはドイツの外相がチェコを訪問している。チェコは英国と共に3月1日にEU25カ国が署名した新財政条約に署名しなかった。ドイツは本気でチェコを説得しようとしているのだろうか。
 しかし、こうして各国の債務に関し自己規制を強化することが本当に欧州経済再生に繋がるかどうかは大いに疑問だ。1990年代の日本と同様、あれだけ金利を下げても経済は上向かない。規制を強めれば逆にデフレスパイラルに突入すると思うのだが。
 いつものとおり、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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