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2012年1月 9日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(1月9日-15日)

 これが2012年最初の外交・安保カレンダーとなる。今週の世界の関心はやはり米国の大統領選挙、特に共和党大統領候補者の予備選だろう。というわけで、今回から数回にわたり、「米大統領選挙の楽しみ方」について書いておきたいと思う。
 3日のアイオワ州はコーカス(党員集会)方式だったが、東部時間10日夜にはニューハンプシャー(NH)州予備選挙の結果が出る。元々各党の候補者選びは党内イベントだから「有権者」には自ずと「偏り」があり、特に、「党員集会」にその傾向が高い。
 その点、「予備選挙」はより「一般的」だから、今年最初の「予備選挙」であるNHに注目が集まるという訳だ。自分の州に対する関心を高めるため年々開催日程は早まる傾向にあるが、予備選挙・党員集会の基本力学はこの30年ほど変わっていない。
 筆者が米国の大統領選挙をフォローし始めたのは外務省入省前の1976年、民主党カーター対共和党フォードの時からで、かれこれ36年、今回が10回目の大統領選挙となる。勿論、「それがどうした」と言われれば身も蓋もないのだが・・・。
 学生時代から40年近く見てくると、それなりに楽しみ方が分かってくる。第一のポイントは「全ての選挙には対立候補がいる」ということだ。如何に弱々しく見える候補者であっても、相手がもっと弱ければ必ず勝つ。これが現実である。
 昨年後半にはオバマ大統領の支持率が低下し、「大統領再選に赤信号」などと報じられた。実に甘い分析である。実際に今回の共和党候補者選びを見ていると、オバマも強くはないが、共和党候補者はもっと弱いのではないかと思わざるを得ない。
 なぜそう考えるかは来週以降順次書いていくことにしよう。キヤノングローバル戦略研究所の同僚である辰巳由紀主任研究員もアイオワ州党員集会について興味深いレポートを書いているので、こちらもご一読頂ければ幸いである。
 今週はもう一つ興味深いニュースがある。イラン革命ガード筋が「イラン原油輸出を脅かすならホルムズ海峡封鎖も辞さない」と述べたという。当然ながら、素人はパニックするだろうが、過度な心配は無用だと思う。
 革命ガードの一部跳ね上がりならともかく、イラン宗教指導者は良く言えば「慎重」、悪く言えば「臆病」だ。イランが封鎖を始めれば程なく米海軍が同海域を制圧し、イラン原油のタンカー航行だけが止まることを最高指導者は正確に理解しているはずだ。
 勿論、誤算(miscalculation)による海上衝突の可能性は捨てきれない。だからこそ、最後まで気を抜くことは出来ないのだが、ハーメネイ最高指導者が関与する限り、海峡封鎖を命ずる可能性は低い。今回の発言もイラン一流の「ブラフ」であろう。
 この点も1980年のイラン・イラク戦争の時代から変わらない。海峡封鎖がイランにとって利益であれば、とっくの昔に封鎖されているはずではないか。あれから32年たったが、ホルムズ海峡はその地形も国際環境も基本的に変わっていないのである。
 本年も、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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