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2011年11月21日 (月)

宮家邦彦の外交・安保カレンダー(11月21-27日)

 今週も中東から始めたい。エジプトでは20日夜、タハリール広場で1万人以上の群衆が軍最高評議会に対する抗議行動を始めた。当然軍・治安部隊はデモ隊を強制排除し、10人が死亡したという。遂に、来るものが来たということだ。
 報道によれば、最高評議会は軍予算を(議会承認の対象とならない)聖域とするよう提案したらしい。エジプト人が怒るのも当然だろうが、こうなることは、今年の2月にムバラクが退陣する時点から予想されていたことだ。全く驚きにも値しない。
 本コラムの2月14日号で筆者は、「先週エジプトで起きたことは、本質的に「民衆による民主革命」には至らず、民衆騒乱を引き金に軍主流がムバラク一派を追放した「宮廷クーデター」に止まると思っている。」と書いた。詳しくはこちらを読んでほしい。
 改めて問う。「フェースブック民主革命」、「アラブの春」などと言ったのは一体どなたか。このままでは国民議会選挙も延期され、大統領選挙など夢また夢だろう。あまり偉そうなことは言いたくないが、これがエジプト革命の本質なのかもしれない。
 シリアも別の意味で恐ろしい。あのハーフィズ(前大統領)の子バシャールが「圧力には屈しない、シリアのために死ぬ用意がある」と述べたことに戦慄すら感じる。あのロンドンで眼科医を目指していた若き青年がこんな言葉を吐くようになるのだろうか。
 アラブ連盟の制裁が現実味を帯びてきたことも気になるが、もっと気になるのはトルコの動きである。トルコは本気で「中東政治の主要プレーヤー」を再び目指し始めたのかもしれないが、それが成功する可能性は決して高くない。
 何度も申し上げるが、シリア・バアス党政権の崩壊がもたらすインパクトはエジプトやリビアの比ではない。現状は極めて危険な方向に動きつつある。そのことは米国も、アラブ諸国も、トルコも、そしてイスラエルすらも良く理解している筈なのに。
 スペインで新政権が誕生したが、これでEUやユーロが安定する保証はない。保守系の政権だそうだが、万一スペインの財政支出を絞り始めたらどうなるのだろう。EUの停滞がいわゆるバランスシート不況であれば、これは逆効果である。要注意だ。
 19日の東アジアサミットでの米中の鍔迫り合いは見応えがあったが、問題は今後の中国の出方である。既に中国側の反応がトーンダウンしつつあるとの指摘もあるが、これは飽くまでも戦術的な動きだろう。中国の次の一手が気になるところだ。
 いつもの通り、この続きはキヤノングローバル戦略研究所のウェブサイトに掲載する。

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